※ 画面はイメージです(実機スクリーンに差し替え予定)。
背景:誰が、いつ決めるのかが曖昧だった。
複数の事業部と外部ベンダー数社が関わる基幹システム(ERP)の刷新が、要件の膨張と課題の先送りで計画から遅れていました。課題はExcelやメール、チャットに散らばり、『誰が担当か』『いつ決めるのか』が曖昧なまま。決めきれない論点が積み上がり、ベンダー間で押し付け合いも起きていました。
観察:問題は技術ではなく『決める場』だった。
PMOとして参画し、まず数週間、会議に張り付いて実態を観察しました。分かったのは、問題は技術ではなく『決める場』と『決めた後の追跡』の不在でした。課題管理表は三つ並存して更新が止まり、定例会は報告で時間切れ。肝心の意思決定の場に、決裁権を持つ人が同席していませんでした。
打ち手:課題を一本化し、決裁者を会議に。
散らばった課題を一本の台帳に統合して棚卸しし、担当・期限・優先度を付け直しました。会議体は『報告』と『意思決定』を分け、決裁者に必ず同席してもらう運びに変更。経営層には進捗とリスクを一枚で見せるダッシュボードと週次報告を整えました。優先順位づけは自動化せず、判断は人が担う運用としています。
成果:課題を消し込み、遅れを取り戻す。
棚卸した滞留課題は約110件から、支援開始3ヶ月ほどで20件前後まで消化しました。積み上がっていた遅れのうち約3ヶ月分を取り戻し、稼働にこぎ着けています。当初は棚卸しそのものへの抵抗もありましたが、決定が前に進む手応えが出てから協力が加速。周辺機能の一部は次フェーズ送りと整理し、まず基幹の稼働を優先しました。
正直、最初は『課題管理表ならもう作ってある』と思っていました。でも一枚に並べ直してもらったら、放置していた論点の多さに社内で青ざめまして。特別なことをしたわけではなく、決める場に決裁者を呼ぶ、という当たり前を徹底しただけです。今もベンダーからの起票はメールのままで転記の手間は残りますし、判断は私たちの仕事です。それでも、何が止まっているのかが全員に見えるようになったのは大きいです。